医者だけに頼らない 2/2

医者だけに頼らない 2/1 の続きです。当時、手術を受けた大学病院(私の麻痺は手術損傷でした)では・・・

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開頭手術後のケアは脳外科、顔面麻痺の初期治療は耳鼻科、リハビリについてはリハビリ科、目の不調は眼科、見た目などの外観については形成外科、とそれぞれ担当が別れていました。

横の連携がほとんどない縦割り構造、お役所に似てますよね。

(前回からの続きです。まだ読んでいない方はよかったら医者だけに頼らない1から読んで下さい)

私が最初にかかっていたのは脳外科ですが(手術損傷である顔面麻痺急性期の初期治療も脳神経外科で受けました)、手術後の定期検診のたびに顔面麻痺による不具合を訴え、その度に眼科、耳鼻科、形成外科へ回されました。

麻痺が酷い時期は、虫歯の治療もできなかったので、歯だけは近所の歯科医院に。

すべて顔面麻痺から派生したものなのですが、それをいちいち説明し、各科の医師に関連づけて理解してもらうのはなかなか大変でした。

しかも大学病院ですから、日によって診察医が変わるため、その度に1から説明しなくてはなりません。

先生たちはカルテを見て同じ質問をして同じ薬を出す、その繰り返しです。

けれど症状はいっこうによくなりません。

長くかかることはわかっていましたが、こんな状態がいつまで続くのかと思うともう絶望的な気分になり、しまいには相談しようにも、どの科で何を聞いたらいいのかさえわからなくなっていました。

私と同じような人が多かったようで、現在その大学病院では、総合的に顔面麻痺のケアをする治療チームというかケアチームのようなものができているようですが、試みとして始めたばかりなので、実態はまだ以前とそう変わっていないのではないか、というのが正直な感想です。

病院が悪い、というわけではありません。

診察を受けて思ったのですが、先生方自身、多義に亙る不具合が生じる顔面神経麻痺という症状について、まだよくわからないところが多い、という感じを受けました。

患者としては、自分の麻痺はどの程度で、どことどこの神経が切れている、あるいは腫れているのか、とか、完全に治るのはいつ頃か、などなど、細密な答えがほしいところですが、病院でその答えを聞くのはまず無理だと思います。

麻痺の原因までは分かり、その原因の場合は、だいたいこういう経過を辿る、これくらいで治まる人が多い、程度のことは答えてもらえますが。

しかし原因は同じだとしても、人それぞれ経過やダメージが違うのがこの病気のやっかいなところです。

例えば、麻痺の重度の判定法です。

予後の状況を予想したり、動的手術が必要かどうかを判断するために、顔の一定の部位に電極を繋いで、筋肉の電位を調べる判定の仕方がいくつかはあるようですが… 。

例えば額に皺が寄せられるか否か、とか安静時に対象に見えるかどうかなどの何項目かをチェックして合計点を出す、という採点方式が一般的です。

医師の見立てによるけっこうアナログな方法です。

自分の麻痺がどの程度の重度なのかという目安にはなりますが、どの程度の重度であれ、他の病気が隠れていない限り、基本的な治療とリハビリは変わりません。

顔面神経麻痺の治療を得意としている治療院や病院の中には、実際には通算20~30例しか診ていない、なんてこともあります。

もちろん業界では大きな数字かもしれませんが、以外と少ないことに驚いたことは確かです。

5000人に一人、という病気で、希に自然治癒する例もあるため、それだけにまだ、まともな治療を受けずにいる、あるいは途中で病院での治療やリハビリを放棄してしまう人がいる証左かもしれません。

また初期治療だけすませ、後はご自分で、というニュアンスの耳鼻科もけっこうある、と聞きます。

で、いろいろ回って私が出した結論は、

医者だけに頼るな、ということでした。

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麻痺が起きている箇所、重度は人それぞれ違いますから、他の人のやり方をそのまま踏襲しても自分に合うとは限りません。

自分の状態は自分が1番よく知っています。

ちょっとここを押さえてから動かすと、ここが動かせる、とか、そういえば前にここが悪化したのも、こんな姿勢で眠った後だった、とか、観察するとその理由もわかってきます。

顔面神経麻痺という病気(現象)は初期治療こそ耳鼻科で徹底的にしてもらわなければなりませんが、その後何ヶ月にも何年にもわたる長い回復期は自分との戦いです。

医師や治療院は時々その戦いに手をかしてはくれますが、丸投げで頼らせてはくれません。。

それでもある期間戦ってみて、どうしても酷い症状が定着してしまったとしても、現代では手術という方法も残されています。

動的外科手術静的外科手術ついては後日別章で書きます)

ざっくり言うと、医師に丸ごと頼らなければならないのは、ごく初期の急性期と、この手術する時だけではないかと思います。

けして精神力だけで治る病気ではないけれど、自分の状態をよく観察して、どうしてこういうふうになっているのか徹底的に向き合うことがキモです。

向き合っていると、自分の麻痺のタイプや癖が身体でわかるようになります。

後は、そうなる前に先手先手で自分で対処できるようになってきます。

意志あるところに方法あり。

前向きに対処しケアしていると、自然に自信もついてきて、人前でも余計な緊張をせずにすむようになるものです。

どうかめげずに頑張ってください!
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