幸福な境地 2/2   

京都の養護施設にいる母の友達に会いに、三連休でごった返す古都 京都にやって来た老母と私。

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面会した帰り、おばちゃんの娘のE姉とホテルにあるレストランで会食し、話がつきないので、彼女とは食事の後もホテルの部屋でおしゃべりした。

「これが最後かもしれないから」

老母は同窓会や友達との約束がある度に言い、そう言いつつ同じ面々に会い続けている。

何年同じこと言ってるんだか -.-

年をとったらいつもこんなふうに思いながら行動するようになるのだろうか。

一期一会の境地・・・かも。

さてE姉が帰った後、部屋に電話がかかってきた。

さっき入ったホテルのレストランからで、忘れものがあったのでこれから部屋にとどけてもいいか? という。

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「あれ、何忘れました?」

「お客様のライターですが・・・」

げっ、近所の居酒屋でもらった、「オール400円ぽっきり」と書かれた100円ライターだ。

こんなことは滅多にないからとはりこんで予約した、けっこう上等なホテルである。

私も母もめいっぱい見栄をはり、なるべく上品に振る舞っていたのだ。

その忘れものが100円ライター、しかも400円ぽっきり。

お里が知れる、とはこのことだ。しゃら恥ずかしくてわざわざ持ってきてもらうなんてそれこそ気がひける。

「いいです、いいです。どうせ100円ライターだし」

しかし、そこが一流のホテルマンだ。

「まだガス入ってますし、おもちしますよ」

その言葉に究極のホスピタリティーを感じた私。

こんな立派なホテルのスタッフが、もったいないから使ったほうがいい、と言ってくれている。

そうだよ、同じ人間じゃないか!

何言ってるんだかわからなくなってきた。

もとい、

というわけで、ちびた居酒屋ライターをホテルのスタッフに8階まで持ってこさせて一日めは終了した。

・・・次回に続く・・・
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