ニイさんたちありがとう 4/4 愛の原初ピーコちゃん 

ニイさんたちありがとう  4/3  の続きです。
思春期近くに手に入れた憧れや見栄の入った人形たちに混じって、そんなものの入る余地もない人形が他にもあった。

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 インディアンの赤ん坊と犬のハンドバックだ。
ピーコちゃんと同じようにごく幼い頃から身近にあった人形だが、この2つの人形には名前すらつけられていない。
昔からインディアンの赤ん坊はインディアンと呼び、犬のハンドバックはまんまイヌと呼んでいた。

インディアンは親戚がカナダ土産に買ってきてくれたものだが、たしか大人たちが皆、なんだか気持ちが悪い、とあまりに言うので、意地になってかわいがった記憶がある。

イヌのほうは祖母が一緒に行ったデパートで買ってくれたのだと思うが、なかなか会えない祖母の替わりとして側に置いていたふしがある。

要するにインディアンにもイヌにも、見栄のためでこそないけれど、なんで私が側においているのかという理屈が幼児なりにあったような気がする。

けれどピーコちゃんとマリちゃんに関しては一切理屈がない。物心ついた時には側にいた。

どうしてそういう名前をつけたのかという記憶もない。

たぶんピーコちゃんのピー子は、中に入っている鳴り物からピーという音がしたからだと思うのだが、マリちゃんは・・・名前の由来をまったく思い出せない。

いや、二番目のマリちゃんはたしか、ピーコちゃんのお友達として買ってもらったのだった。

お友達だからいつも対で扱っていたのだ。

と、すると、原初はやはりピーコちゃんだ。

一番、二番と拘るのは、周囲の大人達の影響だとばかり思ったが、そうではない。

なんで一番好きかなんて理由なんてなくっても、私の中にも一番ということはやっぱりあったのだ。

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ごめんね、マリちゃん、インディアン、イヌ。ピーコちゃんばっか贔屓して。

と、人形を前にして何を言いたいんだかわからないようなことを考えていると、こんにちわ、とブックオフのニイさんがまたやって来た。

「通りかかったんで。もうないですよね、本。あれで全部ですよね」

「それが押し入れにちょっとありました、見ますか?」

ニイさんが押し入れの本を仕分ている間、私はなんともいえない感慨にふけっていた。

いる本といらない本。

いる人形といらない人形・・・。

ニイさんが仕分けしたいらない本は、2、3日後にはこの家と一緒にブルトーザーでガガーっとワヤにされるのだ。

こうやってモノは消えていくんだな、それぞれの物語と一緒に・・・。

ピーコちゃんとマリちゃん以外の人形はすべて、神社でお焚きあげしてもらうつもりでいたが、せめてイヌとインディアンも残しておこう、と私は思った。

ニイさん 「その人形、レトロですね、いい味だしてますね」

私 「そうでしょ? 売ればいくらくらいするもん?」

ゲスなことを聞く私。

ニイさん 「ちょっとそれは・・・きれいだったら一万以上はくだらないだろうけど、まあ補修すれば・・・、うーん、でもやっぱりちょっとそれは・・・」

大丈夫ピーコちゃん、ちゃんと連れて帰るから。

ピーコちゃんたちだけを連れ帰り、他の人形たちはお焚きあげに回し、本やレコードも全て処分して、かくして我が家は取り壊された。

それにしても、業者さんたちにはほんとうに世話になった。

効率はもとより、一人で作業していたらいちいち感傷的になって、作業などできなかったに違いない。

ニイさんたち ほんとうにありがとうございました m(__)m

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