顔面神経麻痺になると、形相が変わるばかりではなく、思いもよらないところに支障が出て来ます。目やら歯やら首やら肩やら・・・活動性も落ちるため、風が吹けば桶屋が儲かる式に腰までおかしくする人もいます。
ちょっとバランスを崩しただけで、人間はこうもややこしいことになるのか、と戸惑います。
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その変貌ぶりにびっくりして、一刻も早くこの状態から脱しよう、と誰もが思います。
けれど、何度も書きましたが、神経は髪の毛や爪といっしょで、伸びるスピードは一定です。
例えば髪の手入れを考えた場合、髪を清潔にし、頭皮が傷んでいればトリートメントや整髪剤などで健康にして髪が伸びる温床を整えると、あとはもう何をしても同じです。
それ以上いくら薬を塗ろうが頭皮のマッサージをしようが、髪の毛が一晩で何㎝も伸びる訳がないのです。
顔面神経もまったく同じで、温床を整えることが大切で、それ以上は何をしても意味がありません。
神経の温床を整えるとはどういうことかというと、血行を促すこと。
保温やマッサージがこれにあたります。
ただ神経は髪の毛のようにダラダラと伸びればいいというものではなく、然るべき場所に向かって伸び然るべき場所に定着してくれないと困ります。
(間違った方向に伸びた結果が、後遺症の共同運動です。)
正しい方向と場所に導くのが、タイミングを選んで行う丁寧なトレーニングやストレッチです。
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鍼灸やレーザー、星状ブロックなどの施術も、この温床を整えるためにする施術で、内服治療を終えてから早い時期であるほど効果が出ますが、やればやるほど効果が出る、というわけではありません。
今日は鍼灸院、今日はクリニックと電車を乗り継いで駆け回り、忙しがって治療費の心配をして熟睡できないでいるようでは、心身ともにストレスフルでかえって逆効果です。
せっかく受けた個々の施術の効果も減殺してしまいます。
回復期初期の治療としてかかるのは意味がありますが、やり過ぎはお金ばかりかかって効果はない、と個人的には思います。
ある程度施術したなら後は焦らずに待つことです。
(この、待つというのがなかなか大変なのですが・・・)
ただ、麻痺が長期にわたると、冒頭に書いたように様々な支障も慢性化してきますし、気候変動や寝不足、過労などで症状が悪化する時も出て来ます。
私はそういう時こそ、神経の温床のリセットに、これらの治療院のお世話になることにしています。
ぐっすり寝て何日か心身をリラックスさせればいいのですが、そんな悠長なことはしていられない人がほとんどです。
蓄積したストレスはやはり専門家に取り除いてもらうのが1番です。
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