酷い顔面麻痺になると、目の開閉が不完全で瞬きができなくなったり目を開いたまま眠ってしまったり、逆に瞼が垂れ下がって目を見開けなくなったり、片側の視野だけ狭くなる場合もあります。
長いリハビリ中には、かなり回復してきた時期でさえ、昨日まではなんともなかったのに今日になって急に目が乾いて仕方ない、痛くてたまらない、なんて事もあります。
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「目がよくなったら急に治りが早くなる」と、脳神経外科の医師には言われました。
目は脳の窓と聞きますが、極端な言い方をすると、脳神経の一部が露出しているようなものなのだそうです。
眼球と瞼は顔面神経の調子が一番わかりやすい箇所でもあり、眼球に支障が出ると瞼も駄目になってそれが顔全体に連動し、麻痺も途端に悪化します。
顔面麻痺は三歩進んで二歩下がる的に回復していくわけですが、目のケアを怠ると五歩も十歩も後退してしまいます。
また、違和感に慣れてしまって乾き気味な目を放っておくと、結膜炎を起こしやすくなり、酷い場合は眼球が傷ついて角膜炎を起こして失明することだってあるのです。
ですから、目のケアには十分に注意しなければなりません。
私の場合、普段はなんともないのですが、天気がぐずつくなど気圧が下がりそうな時や、疲れている時、花粉症の時期、急に寒くなりそうな時、パソコンをやり過ぎた時や、そうそう、歯医者に行って口の中をいじられた後の2、 3日間も、決まって目と瞼の調子が悪くなりました。
うっかりしていてケアをしないでいると、知らないうちに目を開いたまま眠っていたり、瞬きがいい加減になっていて結膜炎を起こしたり・・・。
瞼の動きもぎこちなくなって顔全体の麻痺も酷くなります。
そして一旦顔面麻痺が酷くなると、以前の状態に戻るまでにまた何日かかかる、という具合です。
だから今でも、調子が悪くなりそうな時は先手先手で目のケアをするようにしています。
最初から分かっていればこんな苦労はしないのですが、こればっかりは誰も教えてくれませんから、試行錯誤を繰り返すしかありませんでした。
悪いほうの目をメパッチなどで閉じ、栄養と睡眠をとって神経と身体を十分に休めるのが一番いいのですが、なかなかそんな悠長なこともしていられません。
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目の調子が悪い時は次のようなことを組み合わせてやってみて下さい。
私の場合はこれでだいたいすぐによくなります。
1 目を温める
血流をよくするために火傷に気をつけて目を温めます。
濡れタオルをチンして目に当てるか、疲れ目用の目の温熱パットを当てます。
私は最初チンした濡れタオルを使っていましたが、熱すぎたりすぐに冷めてしまったりするので、結局市販の温熱パットを使うようになりました。(温熱パッド・ソフトなお灸参照)
また、温熱、マッサージ、微振動つき、という多機能な目のリラックスアイテム (目のケア用ハイテクアイテム 参照) もありますが、麻痺が重い頃は刺激が強すぎるため、まだ使わない方がいいかもしれません。温めるだけのシンプルな機能のものがお勧めです。
2 目を濯ぐ、洗う
市販の洗浄液などを使って目をきれいに濯ぎます。洗浄液には目の形に添った小さなキャップのようなものがついているから楽に濯げます。
いろいろな洗浄液が売られていますが、中には自分の目には合わないものもあるかもしれません。
合わない場合は後で痒くなったり痛みを感じたりするからすぐにわかります。
私も2本目で合うものを見つけました。いろいろ試して選んで下さい。
塩水やお茶や水道水でもいいのですが、細菌感染が心配な人はやはり洗浄液を使ったほうが無難です。
ちょっとした炎症なら治まります。(目薬・洗浄液参照)
3 顎の体操をする
麻痺があるため、知らないうちに首や顎にまで余計な力が入っています。
いつも顔、首、肩にストレスがある、つまり常時歯を食いしばっているような感じなので顎関節症になる人もいるようです。
顎関節症にまではなっていなくても顎を整えると顔全体の力の入れ具合がリセットされ、瞼周辺もかなり調子よくなります。
顎の整え方については、顎のストレッチ 1 2 で歯医者さんに教わったものを書いています。(表情筋のストレッチなどして顔の表面ではなく筋層にアプローチしてから行うと、効果が高いです)
形成外科の先生からも聞いたのですが、特に、口を縦に大きく開き、顎の蝶番(ちょうつがい)をリラックスさせると、涙の分泌がよくなって乾き気味だった目も潤ってきます。
4 目を乾燥から守る
ドライアイ用の処方目薬や市販の目薬をさしたり、ワセリンなどを目の中に塗ったり、近くに加湿器をおいたりして目を乾燥させないようにします。特に、回復期初期には気をつけましょう。
また目を思うように閉じられない人は、少なくとも就寝時には必ずメパッチなどを貼って目をしっかり閉じて寝るようにします。(眼帯では瞼が貼りつかないので意味ないです)
外出時は花粉症用、ドライアイ用の眼鏡、大きめのサングラスをかけるなどして目に風や埃が当たらないよう保護します。 (目のケアグッズ・目のケアグッズ まとめ参照)
5 とにかく目を閉じておく
1~4が事情があってできない場合は、とりあえすメパッチなどで悪いほうの目をできるだけ長時間閉じさせます。
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