病院で内服治療を受けた後は、リハビリ生活を送る中で神経を育てていくことになります。(回復期)
リハビリ中のこの時期にある顔面麻痺を亜急性顔面麻痺といいますが、それを過ぎると、これ以上トレーニングをしてももう神経が伸びてはいかない、という時期に入ります。
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回復期が終わってすっかりよくなる人もいますが、長いリハビリ期間が終わっても、まだいくらか不自由が残っている顔面麻痺のことを陳旧性顔面麻痺と言います。(治癒の経過参照)
残ってしまう陳旧性麻痺の程度は人によって差がありますが、重い場合は再建手術で緩和させることも可能になってきました。
けれどやっかいなのは、病的共同運動と呼ばれる後遺症です。
表情筋は自由に動かせるけれど、意に反して動かすつもりがない箇所も一緒に動いてしまう現象です。
目を瞑ると一緒に口が動く、口を動かすと目元が動いてしまう、といった、自分の意志とは関係なく別のところが一緒に動いてしまう現象で、ものを食べると涙が出てしまうワニの涙、という現象もこの後遺症です。
これも程度は人によって差がありますが、急性期を脱してから4カ月目辺りから出始めることが多く、神経が伸びていく過程で混線し、間違った方向に伸びてしまうためだと言われています。
共同運動の出方、強弱は人によっても差があり、また同じ人でも体調や気候など状況によって酷く出る時とそれほど出ない時があるようです。
そして今のところ、一旦共同運動が出ると、治すのがなかなか難しいのが実情です。
病的共同運動を残さないためには、この混線を押さえる丁寧なリハビリが大切になってきます。
非常にデリケートな問題なのですが、私の知る限り、長期にわたる正しいリハビリについて、最初から丁寧に伝えてくれる病院は実は少ないような気がします。
顔面神経麻痺の重度は千差万別で、回復のスピードも人によって違い、派生する支障も多岐にわたるため、病院としてもある程度は仕方がないのかもしれません。
できるだけ共同運動を残さないためのトレーニングについてはしてはならないリハビリの仕方、表情筋と顎のストレッチ、顔のトレーニングいろいろなどで触れています。
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